木漏れ日に泳ぐ魚

寒さが厳しくなってきました。

僕は既にストーブ&ヒートテックで寒さ対策をしています!

 

さて、今流行りの(見直しされていますが)GoToキャンペーンで外出するのもいいですが、

様々な事情でそれが出来ない方は、読書等いかがでしょうか。

 

 

『木漏れ日に泳ぐ魚』恩田 陸(著)

 

あらすじ

『舞台は、アパートの一室。別々の道を歩むことが決まった男女が最後の夜を徹し語り合う。
初夏の風、木々の匂い、大きな柱時計、そしてあの男の後ろ姿-――。
共有した過去の風景に少しずつ違和感が混じり始め、〝最後の夜〟に濃密な心理戦が繰り広げられる。かつての恋人は、ひょっとして殺人犯なのか?
過去をめぐる物語は次々と意外な事実を明らかにし、朝の光とともに訪れる真実とは――。』

 

 

恋人が殺人犯ではないのか、引っ越し前夜からっぽになった部屋で、最後の夜になんとか

相手に自白させようとするところから話が始まります。

それが事件だけにとどまらず、2人の過去の衝撃的な事実に繋がっていく・・。

 

『私たちは馬鹿だった。自ら自分たちに罠を掛けたことに全く気付いてなかったのだ。』

 

 

章ごとに男の視点と女の視点が入れ替わり、それぞれの心情が語られていくのですが、

この濃密な時間が最初から最後までアパートの一室で話が進行していくというのが驚きです。

著者が女性ということもあるのでしょうか、繊細な心理描写が感じられたのと、

ラストの気持ちの切り替え。アパート外に出て世界が広がる女性、アパート内に残される男性の描写。

とてもリアルで怖いです・・。

 

『まるで、あそこに見知らぬ誰かが住んでいるような。』

 

 

ぜひご一読下さい。