木曜日にはココアを
中々治まらないこの猛暑で、自宅で過ごされる方も多いと思いますが、そんな時には読書などいかがでしょうか。
今回ご紹介する本はこちら、
『木曜日にはココアを』青山 美智子(著)
タイトルが素敵です。
そして表紙がかわいいです。
あらすじ
『僕が働く喫茶店には、不思議な常連さんがいる。必ず木曜日に来て、同じ席でココアを頼み、エアメールを書く。僕は、その女性を「ココアさん」と呼んでいる。ある木曜日、いつものようにやって来たココアさんは、しかし手紙を書かずに俯いている。心配に思っていると、ココアさんは、ぽろりと涙をこぼしたのだった。主夫の旦那の代わりに初めて息子のお弁当を作ることになったキャリアウーマン。厳しいお局先生のいる幼稚園で働く新米先生。誰にも認められなくても、自分の好きな絵を描き続ける女の子。銀行を辞めて、サンドイッチ屋をシドニーに開業した男性。人知れず頑張っている人たちを応援する、一杯のココアから始まる温かい12色の物語。』
12の短編で構成された物語で、それぞれに赤や青など色のテーマがついています。
1つ目の短編に登場した脇役が、次編の主役になり物語がリンクされて行くのですが、
基本登場人物に悪意のある人間は出てきません。
なので、仕事に家事に子育てに疲れた時や、ストレスが溜まっている時に読むと心が穏やかになるのかと思います。
若干話が上手くいきすぎて、綺麗すぎて、ファンタジー感があります(そう感じてしまう僕は心が汚れているのかもしれません…)。
1つ目のエピソードから最後のエピソードに繋がるところはグッときて、再び1つ目のエピソードを読み返してしまいました。顔がにやけてしまうポイントです。
著者の実力なのでしょう、全体的に読みやすい文章で、その時々の情景が頭に鮮明に浮かびます。
バタフライエフェクトというのか、小さな優しさが伝播していくハートフルな物語。
優しさ・癒しを求めている方は、ぜひご一読を。